知っておきたいエステサロンでの領収書発行のポイント!
エステサロンのお客さまから「領収書お願いします。」と領収書の依頼を承ることがあります。
あまり頻繁ではないため、初めて領収書の発行を求められ慌てた経験ありませんか?
いざというときのために、エステサロンで領収書を発行するときのポイントについて知っておきましょう。
目次
領収書の役割とは?
「領収書」を辞書で調べると「金銭の支払い・受け取りを証明するための証憑書類」とあります。
商品やサービスなどの提供を受けた消費者は、その対価として金銭を支払います。
そして商品やサービスを提供した側は、代金を受け取った証拠として領収書を発行します。
領収書には、以下の3つの役割があります。
- ①二重請求や過払いを防ぐ
- ②税務申告の際の証憑書類になる
- ③内部不正を防ぐ
①二重請求や過払いを防ぐ
領収書を発行していないと、例え支払っていたとしても商品やサービスを提供した側から支払っていないと言われたら、消費者側は支払わなくてはならなくなってしまう可能性があります。
このような二重請求や過払いを防ぐために請求書は必要なのです。
税申告の際の証憑書類になる
証憑書類とは、契約書や納品書などといった取引が成立していることを証明するための書類のことです。
領収書も証憑書類に含まれます。
個人事業主や法人などが、確定申告や経費計上をする際に必要であり、売上金や経費の証拠となる書類としても有効であるのが領収書なのです。
内部不正を防ぐ
例えば、エステサロンのスタッフが経費を使用した場合、領収書があれば何の目的で何に経費を使用したのか把握できますが、領収書がなければ、サロンに多く請求し、その差額をスタッフが着服してしまう可能性があります。
このような内部不正を防ぐためにも領収書は大きな役割を果たします。
レシートは領収書の代わりにはならないの?
スーパーやコンビニなどで買い物をすれば、レシートをもらいますよね。
レシートも上記の領収書の3つの役割を満たしているので、証憑書類として利用することができます。
しかしながら、レシートと領収書には、ひとつ大きな違いがあります。
宛名が書かれていないことです。
宛名が書かれていないことにより、証憑書類として不具合を生じるかといえば、全く問題はありません。
領収書には、明細が詳細に記載されておらず「お品代」とされることも多々あるので、むしろレシートの方が信頼度が高いともいえますが、レシートではなく、あえて領収書の発行を求められるお客さまもいらっしゃいますので、ここからは、領収書発行の際の注意点について見ていきましょう。
エステサロンで領収書を発行する際の注意点
領収書はただ発行すればいいというものではありません。
いくつかの注意点があるので見ていきましょう。
レシートと領収書は、両方発行しない
先にレシートを発行している場合は、領収書の発行と同時にレシートを回収しましょう。
取引は1回であるにも関わらず、レシートと領収書が両方あれば、受け取る側は、それぞれで経費として計上するかもしれません。
もしそうなった際、不正計上で罰則を科せられることになりますが、領収書を発行した側も税金の過少申告に協力したとみなされ、税務調査を受けることがあります。
最悪の場合、有印私文書偽造の罪に問われたりすることもあるので注意しましょう。
5万円以上のお支払いの場合
現金や有価証券などで5万円以上の支払いを受けた場合、領収書に収入印紙を貼付する必要があります。
貼付を忘れたり、誤った金額の収入印紙を貼付した場合、印紙税法で過怠税の対象となります。
忘れずに貼付しましょう。
ちなみに、収入印紙の金額は以下のとおりです。
- 5万円以上100万円以下→200円
- 100万円超~200万円以下→400円
- 200万円超~300万円以下→600円
クレジット決済の場合、領収書は発行する必要はない
お客さまがクレジットカードでお支払いをされた場合、原則として領収書の発行は必要ありません。
しかしながら、お客さまのご依頼があれば、領収書を発行しても問題はありません。
その際には、必ず「クレジット利用」と明記するようにしてください。
また、通常5万円以上のお支払いに関する領収書には、収入印紙の貼付が必要ですが、クレジットカード払いの場合には必要ありません。
領収書の書き損じや不備が生じた場合
領収書を書き損じた場合、修正テープなどで訂正をすると、その領収書は無効となってしまいます。
書き損じた場合には、×印などで書き損じたことを分かるようにしたうえで保管しておきます。
お客さまに交付済の場合には、一旦回収し再発行します。
その際には、必ず「再発行」と明記するのを忘れずに。
領収書に記載すべき項目
それでは、実際に領収書には何を記載しなければいけないのか見ていきましょう。
<タイトル> | 「領収書」と書きます。 市販のものなど既に書いてあるものは改めて書く必要はありません。 |
---|---|
<宛名> | お客さまの宛名を書きましょう。 法人名の指定があれば法人名を書きます。 |
<日付> | 金銭のやり取りがあった日付を記載します。 |
<金額> | 改ざん防止のため、金額の頭には「¥」金額の末尾に「-(ハイフン)」をつけます。 もしくは、「金」を頭につけ、末尾に「也」をつけます。 3桁ごとに「,」を入れます。 |
<但し書き> | 商品名やサービスの内容などを記します。 (例)ボディエア施術代、商品代など |
<発行者> | 領収書を発行するサロン名(屋号や個人名でも可)を記載します。 住所、電話番号を記載し、押印します。 |
<収入印紙> | 売上金額に応じた収入印紙を貼付します。 割印を忘れずに押しておきましょう。 割印がなければ、本来の3倍の税金を納めなければならなくなります。 |
まとめ
これで、もしサロンのお客さまに領収書の発行を求められても大丈夫ですね。
ポイントさえ押さえていれば、領収書の発行は簡単です。
領収書の保存期間は、法人税法で原則として7年間と定められていますが、念のため10年間保存しておくと安心です。
個人事業主の場合は、白色申告の場合5年間、青色申告の場合は7年間とされています。
2024年から電子データ保存が義務化されるようになったので、電子帳簿保存法の対応にも注意が必要です。
この記事の監修者
株式会社SHEMEN(シーメン)
法人番号:5120101058391
業務用エステ機器販売 業務用美容機器の製造・販売及び輸出入
業務用エステ美容機器・ホームケア用美容機器のOEM/ODMの受託を行っています。
企画・デザイン・開発とお客様との念入りなヒアリングの上ご希望に沿ってご提案、小ロットでも対応可能です。